- 神奈川県
医療法人社団明芳会
横浜新都市脳神経外科病院
高度な医療と断らない姿勢で
脳卒中から地域を守る
血管内治療と開頭手術を臨機応変に選択
「断らない医療」をテーマに24時間365日救急対応する横浜新都市脳神経外科病院は、患者はもちろん、地域医療機関からも頼りにされる存在だ。年間救急搬送数6684件(うち脳疾患4260件)※1という数字が信頼の厚さを裏付けている。血管が詰まる脳梗塞や血管が破れる脳出血、くも膜下出血など脳卒中に特化し、地域医療の中心的な役割を担う。患者第一主義を貫き、搬送から治療開始まで60分以内が理想とされる中、同院は中央値「20分台」を実現した。
「脳卒中は時間との勝負。医師を中心にパラメディカル(スタッフ)らとチーム一丸で取り組んでいます。症例一つひとつを検証し、タイムロスの原因を探り、日常的にフィードバックを行いながら、実践を繰り返すことで時短化を追求しています」と森本将史院長は話す。
1階に搬送された患者はMRI検査後、2階にあるカテーテル室に運ばれ、血栓を溶かすt︲PA治療や血栓回収治療を行う。2022年7月にはカテーテル室を1階MR室隣に増設し、さらに治療開始までを早めた。
10名もの脳神経外科専門医が在籍し、全員が血管内治療と開頭手術を適宜使い分ける。高齢社会で「脳に直接触れない、手術時間が短い」などメリットの大きい血管内治療に近年は力を注ぐ。ただ、カテーテルだけでは対応できない症例もあるため、開頭手術の安全性が高い場合、臨機応変に開頭を選択している。
- 【脳動脈瘤コイル塞栓術】 瘤にコイルを詰めて血流を止める 血管内治療
- 【開頭クリッピング術】 開頭し、瘤の根元をクリップで挟み、 血流を止める
FDS、循環器内科との連携で予防を強化
全国に約90しかない認定施設※2のひとつとして、実施する最新治療が「フローダイバーターステント治療(FDS)」。脳動脈瘤の大きさが5㍉を超える脳動脈瘤に対する新たな治療法だ。脳血管に細かい網目のステントを留置するだけで、瘤への血流を制御し、治療は完了。動脈瘤の薄い壁に一切触れずに済むメリットがある。一方、必ずしも瘤が固まるとは限らないなどのリスクもあるため、その適応と手技には豊富な血管内治療の経験が求められる。
循環器内科との連携強化も進めている。
「脳梗塞には脳内に原因がある症例だけでなく、心臓で生じた血栓が脳に飛んで閉塞させる心原性脳梗塞もあります。脳の治療はもちろん、血栓の原因となる不整脈の治療が大切です。脳疾患があった場合、心臓の検査も必ず行います」と森本院長。不整脈・心筋梗塞などの治療を行う循環器内科も22年4月から24時間救急受け入れを開始し、脳も心臓も手厚いサポート体制を整える。
- 【フローダイバーターステント治療】
(左)脳動脈瘤のある位置に(中)網目の細かいステントを留置する
(右)瘤へ流入する血液量が減少し、徐々に血栓化することで破裂を防ぐ - 血管内治療を行うカテーテル室(2022年7月増設)
充実した設備と一貫したケアで患者をサポート
充実した設備と豊富なスタッフも大きな魅力。急性期集中治療を行うSCU(脳卒中ケアユニット)21床、回復期リハビリテーション病床60床を備え、リハビリスタッフも言語聴覚士、理学療法士、作業療法士など総勢約120人※2と豊富な人材を揃える。超急性期から慢性期までワンストップのケアを受けられるのは心強い。
「病院で患者さんをサポートしていくのは医師とチームスタッフです。チーム医療、笑顔とあいさつ、地味な仕事を大切に、患者さんの満足と安心を第一に」と森本院長は日々言い続けている。愚直なまでに真摯な姿勢を貫く「チーム新都市」が神奈川県の地域医療を支えている。
※2 2022年7月現在
- 充実したリハビリ環境
- 全国有数のSCU21床(2023年、30床に増床予定)
院長
森本将史
もりもと・まさふみ●日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医、日本脳神経血管内治療学会認定脳血管内治療専門医
医療新聞社
編集部記者の目
森本将史院長の医療に対する強い意思が揺らぐことはない。一人でも多くの脳卒中患者の命を救うため、搬送から治療開始までの時間短縮を追求している。医療者として技術面が大切なのはもちろんだが、「人間として、社会人としてきちんとする」ことを重視し、医師を含めた全スタッフに伝えている。メンタル面での意識の共有が、チーム新都市というカルチャーを形成する秘訣だと感じた。
Information
【診療科目】脳神経外科、整形外科、内科、循環器内科、
リハビリテーション科、麻酔科(里見憲昭/三村大悟)
【診療時間】月~金9:00~/14:00~ 土9:00~
【休診日】土午後、日・祝日 ※救急は24時間受付
〒225-0013
神奈川県横浜市青葉区荏田町433
TEL.045-911-2011 (代表)