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社会医療法人 行岡医学研究会

行岡病院

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関節の炎症と患者の不安に
対処するリウマチ治療

薬物治療の進化で、治療成績が飛躍的に向上

 院是は「協同」。大阪市北区の「行岡病院」は理念に「やさしい医療を実践します」を掲げ、一世紀近く、地域医療に貢献してきた。リウマチ治療で名高い。
1982年、同院の理事長に就任、94年から院長も務める日本リウマチ学会認定リウマチ専門医の行岡正雄理事長は「もはやリウマチは怖い病気ではありません」と念を押す。

「過去、リウマチ治療には消炎鎮痛剤や金製剤ステロイドの使用に加え、破壊された関節を手術するという選択肢だけでした。それが、89年にメトトレキサートの登場により、関節リウマチの治療に効果的と報告され、さらに2003年には生物学的製剤が登場します。以降、治療成績は飛躍的に向上しました」
 さらに、行岡理事長は早期診断の必要性に言及する。

「従来、関節リウマチは何年もかけて関節が壊れるものと思われていましたが、実際は2年ほどで悪くなります。この2年間を『治療機会の窓』と呼び、この期間、徹底的にリウマチ治療をしましょうと呼びかけています。ただ、高齢者の場合、年齢・合併症を加味した慎重な治療計画が必要です」、そして「薬の副作用が強い人、合併症があって使えない人以外、痛みは薬物療法でコントロールできます」と重ねて説く。

心に起因する痛み抑制のため、精神科とも連携

 さらなる治療成績向上のため、痛みと“心”の関係性を注視する。
「私は痛み抑制のために、患者さんの心の状態を重視します。疾患に伴う不安など、心に起因する痛みは、精神科のお薬の方がよく効く場合があるからです。鬱状態だと痛みを強く感じ、痛いと憂鬱になりやすい。疾患には常に心が介在します。必要ならば、精神科と連携して治療しています」
 治療では不安に思う患者への寄り添い方も配慮が必要と結ぶ。

「病気を心配しないように、リウマチは寛解します、と声をかけます。リウマチでも、これだけがんばっている人がいますよ、と励まします。患者さんの中に、これなら治るかもと思う気持ちを醸成するのが大事です」

理事長

行岡 正雄

日本リウマチ学会認定
リウマチ専門医

医療新聞社
編集部記者の目

 関節リウマチは、不治の病といわれた過去がある。しかし、この行岡病院には、病への悲壮感は微塵もない。「患者さんにはね、あまり心配せんように、と声をかけるんですわ」と笑顔で語る院長の弁には、リウマチ治療への自信がみなぎる。実際、治療成績は免疫調節剤や生物学的製剤などの登場により、向上し続けているが、院長は「炎症のみならず、心に起因する痛みの解消も必要」という。「医学が人間の幸せに貢献する意義、それは痛みと共に、心の患いも癒してこそなんです」と語気に力を込める姿が印象的だった。

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