• 大阪府

医療法人徳洲会

岸和田徳洲会病院

  • 動画あり

患者とスタッフ、両者にとって
診療が継続できる医療機関を目指す

高度な医療技術で地域医療に貢献

 大阪湾を臨む泉州医療圏で高度急性期医療の中心となり、地域に貢献する岸和田徳洲会病院。厚生労働省から全国でも数少ない「DPC特定病院群(大学病院本院に準ずる機能を有する病院)」に指定されており、高い医療技術を有している。

 紹介患者の受け入れや転院先の相談対応の件数も多く、2021年3月には大阪府の地域医療支援病院に承認された。地域医療機関からの信頼も厚い。

「20年の流行初期から継続して新型コロナウイルス感染症の患者さんを多く受け入れており、コロナ診療も通常診療も制限なく対応しています。また三次救急医療機関ですから、救急搬送されてくる方のうち半分以上の方は重症度が高く、さまざまな症例の治療にあたっています」

 と尾野亘院長は話す。救急車の搬送件数は年間で1万件※を数える。

 22年4月からは、3棟目となる新・新館が稼働をスタート、病院全体で400床に増床した。さらにスーパーICUが8床完成し、23年初頭から運用開始予定だ。HCU、ICU、スーパーICU、救命救急センターを合わせると58床となり、より多くの急患受け入れを目指す。
「スーパーICUを含めた今回の増床で、さらに多くの患者さんを受け入れられる体制が整いました。これからも地域のニーズに応えるべく、継続的な設備拡充を構想しています」(尾野院長)

  • 離島病院で先輩医師から内視鏡の指導を受ける若手医師

内視鏡検査・治療を広げ進行がんゼロを目指す

 尾野院長率いる消化器内科が力を入れて取り組むのが、消化器内視鏡によるスクリーニング検査だ。年間14560件※を実施している。

「胃がん、大腸がん、食道がんなどは初期に発見することが重要。スクリーニング検査を多くの方に行うことで、泉州地域から進行がんをなくすことが目標です」

 と尾野院長の決意は固い。大阪府のがん診療拠点病院にも認定されており、早期がんを中心に実施するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の件数は年間410件※を数える。

 またEUS(胆膵超音波内視鏡)やERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)にも注力。良性・悪性の肝胆膵疾患の発見や、膵がんの確定診断につながっている。他にもIBD(炎症性腸疾患)の治療に取り組む。

 医師が30名、スタッフが50名と消化器内科は大所帯。若手医師の指導は、熟達した消化器内科医がマンツーマンで熱心に行う。

「徳洲会では離島やへき地への医師派遣も行っているため、若手が早くひとり立ちできるような指導を心掛けています。派遣先では、消化器疾患だけにとどまらない幅広い対応ができる総合診療医として、地域に貢献することが期待されているからです」(尾野院長)

 泉州医療圏にとどまらず、西日本全域を支える人材が育成されている。

幅広い疾患に対応するワンチームの心臓血管外科

「当院の心臓血管外科の強みは、幅広い疾患に対応できることです。心臓と血管で分かれずワンチームで治療にあたっていますから、さまざまな治療法のメリットとデメリットを検討でき、患者さん一人ひとりに適した治療選択につながります」

 と心臓血管外科主任部長を務める畔栁智司副院長は語る。

 狭心症や心筋梗塞に対して行う冠動脈バイパス術は、オフポンプで実施。心臓が動いた状態で行うため、術者に高い技術が求められる。バイパスには動脈グラフトを選択することが多いが、患者の状態を考慮して静脈グラフトを選ぶこともある。

 弁膜症は小切開のMICSや循環器内科と連携したTAVIなど低侵襲な術式も採用。また、弁の選択もポイント。血栓ができにくいものの耐久性が低い生体弁と、耐久性が高い一方で生涯にわたり抗凝固剤の服薬が必要になる機械弁を、患者の年齢やライフスタイルに合わせて選んでいく。

 心臓血管外科、循環器内科、脳神経外科は救急搬送された患者を治療する頻度も高い。心臓血管外科の対応する緊急手術で多いのが大動脈疾患だ。

 重要となるのは、手術開始までの時間の短縮。医師だけでなく、手術の準備をする看護師や臨床工学技士などの多職種が迅速に動くことで、1時間以内には手術を始められる体制づくりをしている。

 循環器内科との連携も密に行う。「毎週木曜日にはTAVIに関するカンファレンスを行っています。また普段から、お互いに相談したいことがあるときは、臨機応変に連絡を取り合って、よりよい治療につなげています」(畔栁副院長)

  • ハイビジョン3D内視鏡による立体的で鮮明な術野を確認して低侵襲なMICSを実施

断らずに受け入れる、命を救うため日々邁進

 救命救急センターは24時間365日稼働している。

「断らないで患者さんを受け入れることを目標に日々多くの方を治療していますが、それでもどうしても受け入れが難しい場合があります。救急治療はもちろんのこと、受け入れできないケースをなくしていく取り組みにも注力しています」
 そう話すのは、救命救急センター長を務める鍜冶有登医師だ。

 大阪府では救急搬送支援システムORIONが導入されており、ORIONアプリに入力した傷病者の病状をもとに、搬送先の医療機関がリストアップされ、受け入れ先が決定する。

 ORIONでは受け入れを断った患者のその後を追跡することも可能だ。「どうすれば受け入れることができたのか」をチームで検討することで、今後のよりよい体制づくりにつなげていく。

 新・新館の中には岸和田消防署の消防救急ワークステーションが併設され、24時間救急隊が常駐。医師と救急隊員の間で業務理解が深まること、搬送時点から医療の質が向上することが期待できる。

 大阪府災害拠点病院にも指定されている。地域災害と広域災害の対応だけでなく、20年からはコロナ禍でも活躍した。災害派遣医療チーム(DMAT)隊員も在籍する。

 外来ではコロナ患者と他の救急患者の動線を分けた。今後、新たな感染症が流行したときにも一般診療と両立した受け入れが可能だ。

 さらには23年度中には、ハイブリッド救急外来の開設も予定。CTや血管撮影装置などを外来内に用意し、検査も手術も外来で実施できる設計となっている。

 稼働中のラピッドレスポンスカー(ドクターカー)と併せて、事故や災害にも迅速に対応できる体制を強化する。

  • 要請があればすぐにドクターカーで出動できる体制を整えている

患者のため、スタッフのため、医療の質向上を図る

 20もの診療科、病床数400床を抱えるなかスムーズに診療を行うには、病院全体での業務改善が重要だ。そこでQI活動にも積極的に取り組む。QI(Quality Indicator)とは医療の質に関する指標のこと。その向上のため、診療や入退院のプロセス、医療安全など、さまざまな観点から問題点を洗い出し、改善を図っている。

 その結果、18年には医療機関に対する国際的な評価基準であるJCI認証を取得。3年ごとに更新が行われるため、医療機関は継続的にQI活動にあたる必要がある。

「当院のJCI認証は21年に更新されました。認証を維持するためには、日々、病院をよりよくする活動を続け、モニタリングして定期的に報告する必要があります。医療の質と患者さんの利益を担保するためにも、絶え間ない取り組みが求められるのです」

 とQI活動をリードする神経内科の出田淳副院長は話す。国際的な評価基準を満たすことで、国内はもちろんのこと、海外から医療ツーリズムで訪れる患者への訴求力も高まると考えられる。

 質の高い医療の実現には、医師や看護師、コメディカルのほか、病院スタッフの働き方も重要となってくる。これまでも有給休暇取得率の向上を達成させてきたが、24年から始まる「医師の働き方改革」を見据えて、病院全体で働き方改革にも取り組んでいる。

 実際に行ったのが時間外労働を減らすこと。19年度から医師以外のスタッフ、21年度から研修医、22年度から専攻医で実施され、23年度からは全医師に広げる予定だ。そのために各部でのシフト勤務の導入や、医師から看護師、コメディカルへのタスクシフトが進められている。また子育て世代の働きやすさに配慮して、院内保育園では病児保育の開始も予定されている。

 これからも患者の生活を守る医療機関であり続けるため、岸和田徳洲会病院は変革を続ける。

取材・文/高橋美森

  • 院内でQI大会を開催し、発表を通して問題の改善策を検討する

院長

尾野 亘

おの・わたる●1995年、奈良県立医科大学卒業。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本医学放射線学会認定放射線科専門医。

副院長
心臓血管外科主任部長

畔栁 智司

くろやなぎ・さとし●2002年、滋賀医科大学卒業。日本外科学会認定外科専門医、三学会構成心臓血管外科専門医認定機構認定心臓血管外科専門医。

救命救急センター長

鍜冶 有登

かじ・ありと●1980年、大阪市立大学卒業。日本救急医学会認定救急科専門医。

副院長

出田 淳

いずた・まこと●1988年、兵庫医科大学卒業。日本内科学会認定総合内科専門医、日本神経学会認定神経内科専門医。

医療新聞社
編集部記者の目

 今回は院長をはじめ、各部門で重責を担う4名の医師からお話を伺った。DPC特定病院群、大阪府の地域医療支援病院として住民の健康を守る岸和田徳洲会病院とあって、忙しい合間を縫っての取材となった。先生方は明るい雰囲気でエネルギッシュ。その溢れるエネルギーの一因となっているのが、医療にかける情熱と使命感なのだと感じた。また2024年4月開始の「医師の働き方改革」に向けても、着々と準備が進められている印象を受けた。

Information

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TEL.072-445-9915(代表)
FAX.072-445-9791

【診療科目】
心臓血管外科、循環器内科、外科、乳腺外科、脳神経外科、消化器内科、整形外科、泌尿器科、放射線科、産婦人科、小児科、皮膚科、形成外科、歯科口腔外科、麻酔科(大前典昭)、神経内科、呼吸器内科、眼科、緩和ケア外科、耳鼻咽喉科

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