• 愛知県

吉田整形外科病院

  • 動画あり

手術支援ロボットを用いて
数々の難症例を治療

地域に根ざした整形外科病院を目指す

 愛知県豊田市の吉田整形外科病院には、整形外科に特化した病院としての評判を聞きつけ、豊田市内はもちろん、愛知県内外から関節の痛みなどの悩みを抱える患者が多数訪れている。

「当院は開院当初から『地域に根ざした整形外科病院を目指す』を基本理念としています。初診から保存療法、手術、術後リハビリテーション、退院後の検診とすべてを一貫して対応しております。なにかお困りのことがあれば、気軽にご来院いただければと思います」と山田高士理事長は話す。

 院内に「豊田人工関節・股関節疾患センター」を設置したのも、高齢者を中心に増加している股関節・膝関節に痛みや違和感を抱えている方が、相談に来やすくなるようにしたかったからだ。股関節をセンター名に入れたのは、膝関節に比べて股関節のスペシャリストが全体的に少なく、センター名にすれば股関節のスペシャリストが在籍していることが一目でわかるようにするためだ。実際に若年者の関節温存手術から人工股関節全置換術、人工股関節再置換術まで広く対応できるスペシャリストが2名在籍している。

早くからロボット手術支援システムを導入

 2019年6月、人工関節置換術に用いるロボット手術支援システムが保険適用されたが、同院では19年12月にいち早く導入、20年2月の保険収載と同時に運用を開始した。人工股関節置換術については、導入から22年末までの間に325例、人工膝関節置換術については、同期間で81例、合わせて406例もの治療を行ってきた。※

 このシステムは、モニターに映し出された患部の3D画像を見ながら、執刀医がロボティックアームを操り、骨の傷んだ箇所をきれいに削り取るもの。こうすることで、人工関節(インプラント)の安定した装着が可能となる。

「股関節にしても膝関節にしても、人工関節の成績を分けるのは、いかにインプラントが正確に設置されるかということになります。それを高度に実現するものがロボット手術支援システムです。実際使ってみて、かなり正確にインプラントを設置できますし、ロボット手術支援システムがある程度は支援してくれるので、周りの軟部組織の侵襲も最小限で済みます。術後の回復も早いと考えられます。さらに術後疼痛や脱臼率の低下も期待できます」と坪井真幸吉田整形外科人工関節クリニック院長は話す。

 また杉浦文昭リウマチ科部長は、「ロボット手術支援システムを使った人工膝関節置関術を行っていますが、今まで実践していたロボットを使用しない手術よりも、より精度が高く、骨がきれいに削れると感じています。もし膝の人工関節置換術を検討されている患者さんがいらっしゃったら、ぜひ当院に来ていただいて、詳しい説明を聞いてもらいたいですね」と語る。

  • 中央がロボット手術支援システム

最小侵襲手術MISで患者負担を軽減

 股関節や膝関節の手術をする際、CTやMRIなどで患部の状態をじっくりと見極め、治療方法を決める。人工関節置換術の場合、最小侵襲手術MISで対応する。

「MISはなるべく傷を小さくして、体への侵襲を小さくしようという考えから始まったのですが、現在は、ただ傷が小さいだけではなくて、筋肉も極力切らない筋肉温存手術に移行しています。さらに最近では筋肉を温存するのはもう当たり前で、両足の長さを揃えるためにバランスを測るとか、筋肉以外の軟部組織も極力必要なところは温存する方法に進んでおります。われわれもそうした点に注意しつつ、適切な手術を心掛けています」と山口仁豊田人工関節・股関節疾患センター長は語る。

退院後の患者にも細やかな心遣い

 新型コロナウイルス感染症で現在は中断中だが、同院では「歩みの会」という患者会がある。これを考案したのが坪井真幸医師。

「手術後に退院された患者さんは、その後3、4カ月はよく歩くのですが、1年くらい経つと、あまり歩いていない人が結構多い。そこで、もう一度、歩くモチベーションを持ってもらうために、患者さんが一堂に集まる機会を作って、3㌔程度、全員で歩きます」

 新しい技術を積極的に取り入れる一方で、退院後も患者に寄り添う細やかな気遣い。同院は今後ますます地域になくてはならない存在となっていくだろう。

取材・文/牧野晋一

理事長・院長

山田 高士

豊田人工関節・股関節疾患センター長

山口 仁

吉田整形外科人工関節クリニック院長

坪井 真幸

リウマチ科部長

杉浦 文昭

医療新聞社
編集部記者の目

整形外科領域のさまざまな疾患治療に対応している。「豊田人工関節・股関節疾患センター」を持っていることからもわかるように、股関節・膝関節の人工関節置換術に、特に力を入れている。股関節治療のエキスパートが複数人在籍しており、変形性股関節症や大腿骨頭壊死といった、股関節の重篤な疾患に対して、しっかりとした対応ができる。ロボット手術支援システムも早くから導入し、積極的に活用している。

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