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医療法人雄久会

塩尻病院

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膝関節を温存する術式により、術後の活動的な生活を支援

膝の機能を温存する高位脛骨骨切り術

80年以上の歴史を誇る塩尻病院(長野県塩尻市)。整形外科領域を中心とした医療の提供とともに、老人保健施設を併設し、医療と介護の両面から地域を支え続けている。膝の痛みの代表的な疾患である変形性膝関節症の手術では、自分の関節を温存し、運動なども可能となる術式に力を入れており、「術後も活動的に過ごしたい」という患者ニーズに応えている。

「変形性膝関節症の治療では、保存療法や運動療法を行っても日常生活に支障をきたす場合、軟骨などが痛んで変形性膝関節症の進行が疑われる場合、本人が手術を希望している場合は、当院では可能な限り高位脛骨骨切り術を行っています」と福澤敬院長。

 変形性膝関節症の手術で現在主流となっているのは、すり減った膝の関節を人工関節に置き換える人工関節置換術だが、高負荷な運動が制限されたり、野外での小さな外傷でも人工関節への感染に注意が必要になったりする。高位脛骨骨切り術はO脚(がに股)を軽いX脚に矯正する術式で、一部に集中している重荷を分散させる。自分の関節を残せるため、膝を曲げ伸ばす感覚など知覚神経が残り、術後も活動的な生活を送れる可能性が高いという。

 「高位脛骨骨切り術にも高度な変形に対処できなかったり、骨が癒合するまで時間がかかったりということがありますが、自分の膝の機能を温存でき、軽い変形なら膝機能の回復が期待できる高位脛骨骨切り術は、いまより多くの適応があると考えています」

  • 高位脛骨骨切り術

術後の要望や希望に合わせ治療方針を決定

「近年、人工関節の耐用性などは向上していますが、忘れてならないことは、自由に運動してもよい人工関節は存在しないということです」と福澤院長は話す。 同院では患者との会話に十分な時間をかけ、術後の希望について詳しく聞いている。

「高齢の方であっても、これから農業を始めたい、山に登りたい、定年延長で今までの仕事をしたい、スポーツに熱心に取り組みたいといったさまざまな希望や要望があります。このような患者さん一人ひとりの思いに合わせ、しっかりと治療方針を立てることが大切と考えています」

 関節を温存する高位脛骨骨切り術で、多くの膝を救ってきた福澤院長。「変形性膝関節症の手術は、術後のライフスタイルや希望を考慮し、自分にあった術式を検討してみる、これが第一歩だと思います」

院長

福澤 敬

医療新聞社
編集部記者の目

 昭和14年の開業以来、地域で救急医療とプライマリーケアを中心に医療活動を推進してきた塩尻病院。平成15年に4代目を継承した福澤敬院長は、患者の満足度に強いこだわりを持ちながら診療にあたっている。変形性膝関節症の手術前にじっくり時間をかけ、術後の要望や希望を詳細に聞くことは、満足度を高めるために不可欠な要素だ。

リハビリにも力を注ぐ。理学療法士、作業療法士各5名を擁し、週1回の医師、看護師との“リハミーティング”で全症例を検討。医療、看護の面からコンセンサスを得て、患者一人ひとりを適切なリハビリにつなげている。併設の老人保健施設「こもれび」でも機能回復訓練が可能だ。医療と介護を一貫して提供する同院は、これからも高齢化社会を支える医療機関として地域に貢献し続けていくだろう。

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