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医療法人社団 仁明会

秋山脳神経外科病院

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きめ細やかな診療で顔面痙攣や
三叉神経痛の根治を目指す

あらゆる可能性を念頭に置き確実な診断と治療を実施

 開院から33年、横浜市港南区を中心に地域から厚い信頼が寄せられている秋山脳神経外科病院。一次脳卒中センターとして定評がある同院だが、信頼を得ている理由はそれだけではない。顔面痙攣、三叉神経痛といった脳神経疾患の根治を目指すきめ細かい治療の提供に、多くの患者が訪れている。

 「顔面痙攣、三叉神経痛は痛みや不快感、外見の変化などQOL(生活の質)に大きく影響します。そんな患者さんに寄り添い、機能の回復や痛みを緩和する治療に取り組んでいます」と矢﨑貴仁副院長は話す。
脳幹という脳の中枢から分岐した神経を、血管が圧迫することによって発生する顔面痙攣と三叉神経痛の治療計画を立てるには、診断が何より大切だ。秋山脳神経外科病院ではまず、症状と経過を詳細に問診・診察する。例えばストレスや疲労などから起こる目の周りの不随意運動や眼瞼痙攣と顔面痙攣の鑑別診断や、脳腫瘍・歯の病気・鼻の炎症などから起こる非定型的な顔面痛と三叉神経痛を確実に鑑別診断した上で、高精度の3テスラMRIによって神経を圧迫している血管を正確に同定する。その上で内服薬や注射薬による治療(いずれも対症療法)、手術による根治療法についてそれぞれの利害得失を詳しく説明し、患者の希望を踏まえて治療計画を立案する。最終的には手術を希望する患者が多く、インフォームドコンセントを踏まえ全てを納得した上で治療が進められるため患者満足度が非常に高い。手術後の患者満足度調査では「満足している」と回答した患者の割合は90%を超えている。

神経に負担の少ない仰臥位で手術を行う

 矢﨑副院長が注力する、顔面痙攣、三叉神経痛の手術が微小血管減圧術だ。その特徴は術式にある。耳の後ろを切開し、頭蓋骨に穴を開けて行うこの手術では患者は側臥位(やや下向きで横に寝た状態)となるが、矢﨑副院長は仰臥位(仰向け)で行う。通常の側臥位では手技のスペースを確保するため、小脳をヘラで寄せる必要がある。しかし仰臥位では重力で小脳が下に垂れ下がるため、ヘラを使用しなくても十分なスペースが確保できる。そのため小脳の圧迫を避けることができ、めまいや聴力障害など術後の小脳・神経障害が顕著に減少できるという。

 「手術で根治できても、合併症でQOLが低下することは少なくありません。それは何としても防ぎたい。そのために小脳や脳神経へ可能な限り負担をかけない手術を行っています」と矢﨑副院長。

 仰臥位による術式は、術者が体勢を取りにくいこともあり、高度な技術と多くの手術経験を要する。そのため国内でもこの術式に熟練している医師は数人しかいないという。矢﨑副院長は手術顕微鏡拡大率の細かな調整や、神経や血管、小脳に接するくも膜の丁寧な剥離など、手技の自由度を高める工夫を重ねてきた。手術の評判は瞬く間に広がり、手術件数は年間20件※と増加の一途をたどっている。

 「顔面痙攣、三叉神経痛で悩む方を一人でも減らすのが使命。どんな小さな症状でも気軽に相談してください」と矢﨑副院長は力を込める。

大学との密接な連携による治療

 秋山脳神経外科病院には慶應義塾大学医学部脳神経外科の教授や専任講師などのスタッフが毎週非常勤で勤務しており、診断の過程で万が一頭蓋底腫瘍などが見つかった場合には、慶應義塾大学病院との密接な連携体制を活かして大学病院での治療や、当院において大学スタッフと共同で手術を行うなどしている。また毎週、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、リハビリテーションスタッフによるカンファレンス、院長みずからが行う勉強会など、常にアカデミックポイントの向上に熱心に取り組み、後進の育成にも力を入れている。


※2019年1月〜12月

院長

秋山 武和

慶應義塾大学医学部卒業
日本脳神経外科学会認定
脳神経外科専門医
日本脳卒中学会認定
脳卒中専門医
日本脳神経血管内治療学会
脳血管内治療専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医

副院長

矢﨑 貴仁

慶應義塾大学医学部卒業
同大学医学部准教授、国際医療福祉大学教授などを経て2017年より現職
日本脳神経外科学会認定
脳神経外科専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本がん治療認定医機構
がん治療認定医
日本医師会認定産業医

医療新聞社
編集部記者の目

 「顔面痙攣や三叉神経痛による患者さんの苦痛・不快感の解消に、意志と覚悟、責任感をもって臨んでいます」。優しい笑顔が印象的な矢﨑貴仁副院長だが、発する言葉には力強さがある。顔面痙攣や三叉神経痛の手術件数は通常、大学病院であっても年間10件ほどというが、同院では約20件を実施。多くの患者が矢﨑副院長の術式を求め来院している。一方で、外見にも関わるために誰にも相談できずにいる「隠れ患者」も少なくないという。そうした患者を一人でも多く救うため、矢﨑副院長は日々診療に尽くしている。さらに後進の育成にも余念がない。患者目線に立った治療は、今後ますます注目されるだろう。

Information

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秋山脳神経外科病院

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TEL.045-846-1001(代表)

受付時間:脳神経外科8:30~11:30/13:30~16:30

休診日:土午後・日・祝日

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