• 大阪府

医療法人啓信会

大阪整形外科病院

全国有数の実績を誇る
人工関節置換術で
患者の負担軽減を追求

いち早く導入したMISで術後の早期回復を目指す

 変形性関節症などに対する人工関節置換術に力を入れている大阪整形外科病院(旧中之島いわき病院)。手術件数は年間1483件(2019年1月~12月)と、全国でもトップレベルの実績を誇る。

 同院の手術の最大の特徴は、患者の負担軽減・早期回復のため、股関節、膝関節の置換術ともにMIS(最小侵襲手術)で提供している点だ。国内でも比較的早い段階となる04年から岩城啓好院長が導入し、従来の手術法と比較すると、術後の創が小さく済み、早期回復が可能になっている。

 同院の人工股関節置換術では、術後の患者への動作制限を一切行っていないのも特徴の一つだろう。従来の手法では、術後に股関節を深く曲げたりしゃがんだりすることによって合併症の一つである脱臼を招く恐れがある。しかし同院では前方から侵入する方法を取り入れ、筋肉を切らず手術する。そうすることで術後の動作制限をなくすことを可能にした。「一般的に人工股関節手術は患者の体を横向きにした体位(側臥位)で行うことが多いですが、その場合骨盤の傾きが術中は分かりづらく、インプラントの設置がぶれてしまうことがあります。当院では仰臥位(仰向け)で手術を行うため、骨盤の向きがはっきりと分かり設置が安定します」

 また仰臥位で股関節置換術を行うと、短時間でスムーズな両側同時手術が可能になる。片方が終われば体位を変えることなく、もう片方の脚に着手ができるからだ。この両側同時手術は、患者の術中・術後の身体への負担を軽減し、MISとの相乗効果で、手術日の翌日から歩行訓練を開始でき早期回復にもつながる。

 また変形性膝関節症に対しても、患者への負担軽減を目指し、症例に応じてさまざまな治療の選択肢を提示。比較的若く活動性が高い男性の場合には、脛骨の一部を切って関節を温存する骨切り術を選択できる。関節の内側だけが傷んでいる場合には、関節の一部をインプラントに置換する低侵襲な単顆型人工膝関節置換術も可能だ。

 膝関節も両側同時に手術を行っており、昨年は股関節の約3割、膝関節の約5割で両側同時手術を実施した。

  • 病院の新設とともに導入された3テスラのMRI装置

新築移転で、これまで以上に治療の選択肢の幅を広げる

 20年12月に同じ大阪市福島区内に新築移転した。手術室は3室に増え、MRIやCTといった検査機器も最新機種を導入。なかでもリハビリにはこれまで以上に注力し、前施設の約3倍の約100坪へリハビリ室を拡充、都市部には珍しく屋外歩行練習用のスペースも設けている。またリハビリスタッフも39人に増員している。「整形外科の治療は手術だけではありません。当院は大病院で行うような手術以外に、保存治療の患者さんも多く来られます。さまざまな選択肢の中から一番良い治療を提供していきたいと思います」

 20年4月からはスポーツ整形の医師が新たに加わり、麻酔科を含めて7人の医師で治療を行っている。「整形外科の診療は、人工関節センター、脊椎・脊髄病センター、関節鏡・スポーツ医学センターの3つの柱で行っています。整形外科の領域で、できない治療は作らず、幅広い治療を提供できるよう努力していきます。新病院でもこの方針は継続し、整形外科の総合的な治療ができる病院にしていきたいと考えています」

  • 屋上に設けられている歩行練習用スペース

傾聴を重視し希望やニーズを把握、
幅広い選択肢を備えて治療に臨む

さまざまな医療技術を駆使した痛みの治療と予防

 関節鏡・スポーツ医学センターでは、肩、膝、肘関節、足関節などの疾患を中心に、患者の希望やニーズに応じた幅広い医療を提供している。ジュニア・学生アスリート、スポーツ愛好家、トッププロまで、さまざまなレベルに対応する。体への負担が少ない関節鏡を用いた手術に定評があり、スポーツ障害だけでなく肩関節の痛みに悩む患者も数多く訪れている。

 「スポーツのけがは色々な部位に障害を抱えることが多く、まず全身を包括的にみることが大切です」と松川哲也医師。関連する疾患に十分対応できる体制を整え、各競技に見られる特有の症状や疾患の治療にあたる。多様なニーズに応えるべく、新しい医療技術も積極的に導入している。「除痛は注射や投薬による薬物療法をはじめ、強い衝撃を患部に与えることで痛みの神経を抑える体外衝撃波や、組織の修復を促すPRP(多血小板血漿)療法※などにも対応し、幅広い選択肢を備えています」。一方、体の動きや筋肉・腱・軟骨などについて熟知する松川医師は、けがの予防という観点からも適切なアドバイスを行う。「色々な競技でけがをしない動きや効率の良い動き、あるいは筋肉や体の使い方で不足している部分を見つけ、それらの内容を改善点として助言しています。実はけがを予防することと記録を伸ばすことは表裏一体で、そこを選手たちと一緒に目指しています」

 当センターの強みである関節鏡手術は、皮膚や筋肉などの正常な組織をできる限り損なわず、炎症や断裂している部分を拡大観察して修復する、低侵襲かつ精度の高い術式だ。スポーツ障害だけでなく、五十肩などの外科的治療にも広く用いられている。「五十肩の多くは自然治癒が期待できますが、まれに重大な病気が隠れていることがありますので、しっかり診断することが大切です。基本的に保存療法となりますが、痛みの程度はさまざまです。社会復帰や仕事のニーズに応じて、手術という選択肢もあります」

 同センターではエコー、CT、MRIなど大学病院並みの機器を揃え、迅速な診断体制を構築しているが松川医師が診断で特に重視するのは患者の声だ。「症状の程度、困り具合、生活環境など一人ひとり全く違います。しっかり傾聴し、患者さんの背景とニーズを知ることが一番大切な要素です。どんな些細なことでも気軽にご相談ください」
※PRP療法は自由診療(1箇所110,000円、2箇所132,000円)

  • 体外衝撃波治療装置

保存的治療と低侵襲手術を主体とした、
脊椎・脊髄医療を地域に提供

保存的治療を主体とし、手術は低侵襲な術式を中心に

 脊椎・脊髄病センターでは、首や腰の痛み、手足のしびれ、歩行しにくい、といった背骨が原因の疾患を中心に治療を行う。「加齢に伴って変形した脊椎が神経を圧迫する頸椎症性脊髄症や、神経の通り道が狭くなる脊柱管狭窄症といった高齢者に多い疾患から、椎間板ヘルニアのような若年層に多い疾患まで当センターで対応しています」。そう乾 義弘医師が語るように幅広い年齢層を対象とし、頸椎、胸椎、腰椎、それぞれの部位に対する治療を提供する。

診療で重視していることは迅速な診断と精度の高い治療だ。症状を診察し、レントゲン、MRI、CTなどで精査を行い、痛みやしびれの原因を究明する。患者の症状が重ければ来院当日に実施し原因を見極めるという。「多くの患者さんは内服薬、ブロック注射、リハビリなど、手術以外の保存的治療で症状が改善する場合が多く、まず、この治療法を徹底して行います。もし手術が必要な場合は、手術適応を厳密に検討したのち、患者さんに詳細な説明をして納得いただいた上で、手術治療を行います」。手術はできるだけ体への負担を抑えた手法を適応する。病状に応じた多様な術式から選択が可能だ。「固定術から内視鏡治療まで取り入れ、オールマイティーに治療を提供できる体制を整え、十分なレベルの手術を地域の方々に提供することを心がけています」

 低侵襲手術と総称される治療では、椎間板ヘルニアは、MED(内視鏡下椎間板摘出術)や、PED(経皮的内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術)といった内視鏡手術を提供。いずれも、従来は大きく背中を切開する必要があった手術を内視鏡下で行い、小さな創に止めている。ほかに、前方もしくは側方の小さな切開から脊椎にアプローチして変形した脊椎を固定する術式なども導入している。「低侵襲手術によって、これまで高齢などを理由に手術ができなかった方にも手術ができるようになりました」と乾医師は説明する。

 「手術で症状が改善しても、年齢を重ねるにつれ骨粗鬆症など、別の疾患が生じてくる可能性があります。そのようなケースの対応も含め、退院したら終わりではなく、生涯サポートするつもりで治療に臨んでいます」。そう乾医師が強調する姿勢で、同センターはこれからも地域住民に寄り添った脊椎・脊髄病の診療を実践していく。  

脊椎・脊髄病センターでは、首や腰の痛み、手足のしびれ、歩行しにくい、といった背骨が原因の疾患を中心に治療を行う。「加齢に伴って変形した脊椎が神経を圧迫する頸椎症性脊髄症や、神経の通り道が狭くなる脊柱管狭窄症といった高齢者に多い疾患から、椎間板ヘルニアのような若年層に多い疾患まで当センターで対応しています」。そう乾 義弘医師が語るように幅広い年齢層を対象とし、頸椎、胸椎、腰椎、それぞれの部位に対する治療を提供する。

診療で重視していることは迅速な診断と精度の高い治療だ。症状を診察し、レントゲン、MRI、CTなどで精査を行い、痛みやしびれの原因を究明する。患者の症状が重ければ来院当日に実施し原因を見極めるという。
「多くの患者さんは内服薬、ブロック注射、リハビリなど、手術以外の保存的治療で症状が改善する場合が多く、まず、この治療法を徹底して行います。もし手術が必要な場合は、手術適応を厳密に検討したのち、患者さんに詳細な説明をして納得いただいた上で、手術治療を行います」。手術はできるだけ体への負担を抑えた手法を適応する。病状に応じた多様な術式から選択が可能だ。「固定術から内視鏡治療まで取り入れ、オールマイティーに治療を提供できる体制を整え、十分なレベルの手術を地域の方々に提供することを心がけています」

 低侵襲手術と総称される治療では、椎間板ヘルニアは、MED(内視鏡下椎間板摘出術)や、PED(経皮的内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術)といった内視鏡手術を提供。いずれも、従来は大きく背中を切開する必要があった手術を内視鏡下で行い、小さな創に止めている。ほかに、前方もしくは側方の小さな切開から脊椎にアプローチして変形した脊椎を固定する術式なども導入している。「低侵襲手術によって、これまで高齢などを理由に手術ができなかった方にも手術ができるようになりました」と乾医師は説明する。

  • 約100坪の拡充したリハビリ室

 「手術で症状が改善しても、年齢を重ねるにつれ骨粗鬆症など、別の疾患が生じてくる可能性があります。そのようなケースの対応も含め、退院したら終わりではなく、生涯サポートするつもりで治療に臨んでいます」。そう乾医師が強調する姿勢で、同センターはこれからも地域住民に寄り添った脊椎・脊髄病の診療を実践していく。

院長

岩城 啓好

いわき・ひろよし●医学博士。1991年に大阪市立大学医学部卒業。ロンドン大学で3年間医師として働き、帰国後、大阪労災病院整形外科医長、大阪市立大学整形外科准教授などを経て、2013年より現職。

大阪整形外科病院
整形外科 関節鏡・スポーツ医学センター医長

松川 哲也

大阪整形外科病院
整形外科 脊椎脊髄外科部長

乾 義弘

Information

医療法人啓信会

大阪整形外科病院

ホームページ

医療法人啓信会
大阪整形外科病院
(旧 中之島いわき病院)

診療科目:整形外科、リハビリテーション科、外科、
内科、循環器内科、放射線科、リウマチ科、麻酔科 (山下智之)

受付時間:午前9:00〜12:30 午後13:30~15:45 

夜診16:00〜19:00 ※内科は17時終了

休診日:土午後・日・祝・年末年始

〒553-0007 大阪市福島区大開4丁目3-61

TEL.06-6463-1111