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変形性関節症は軟骨がすり減り、傷んでくる疾患

 福島県西白河郡矢吹町にある会田病院副院長の会田北斗医師の日課はジョギングだ。健康維持のためもあり、ひと月で250キロメートル走破を自らに課している。

 さほど大きくない町だけにジョギング中に顔見知りに会うこともしばしば。「人工関節置換術を施術した元患者さんたちが走り寄ってきて、元気な姿を見せてくださるのが本当にうれしいですね」と笑顔を見せる。

 会田病院の歴史は1946年、初代理事長の個人病院として開設されたときに始まる。地域のニーズに応え、徐々に診療科目を増やし、現在では内科、外科、呼吸器科、整形外科、眼科、泌尿器科など17の診療科目を有する、矢吹町の中核病院へと成長。地域に愛され、2021年には創立75周年を迎えた。

 高齢者が多い地域とあって、骨折や骨粗鬆症、膝関節・股関節の変形性関節症などに悩んでいる方も多い。変形性関節症はクッションのような役割を果たす軟骨が加齢とともにすり減り、傷んでくる疾患。炎症性のサイトカインが出てきて滑膜炎を起こすことで痛みが生じる。
「運動療法や薬物療法などの保存療法を3カ月から半年続けても痛みが取れない方や、痛みが強く、日常生活に支障が出ている方は納得できるタイミングで人工関節置換術などの手術に踏み切ることも考えられます」と会田医師。

 基本的に軟骨は再生しないといわれており、症状は悪化していくことが多い。高齢者は筋力が落ちていることが多く、痛みのため動かないと余計に筋力が落ち、体重も増える。必然的に関節への負荷が増すという悪循環に陥りやすい。

 人工関節置換術は痛みのある関節を金属の人工関節に置き換える手術で、痛みを起こしていた関節そのものを切除するため基本的に術前の痛みはとれる。

 会田医師は人工関節置換術のエキスパートとして知られる。副院長就任後、病院も本格的に人工関節置換術に取り組むようになり、手術件数は人工関節置換術(膝)、人工関節置換術(股)、骨折観血的手術などのいずれもが年々増加傾向にある。

充実したリハビリスタッフが徹底的に患者をサポート

 会田病院の強みの1つ目はリハビリテーションスタッフの充実。理学療法士19名、作業療法士9名、言語聴覚士7名が在籍。患者一人ひとりに合わせたプログラムを考え、徹底的にサポートしている。

 人工関節置換術の場合、比較的若い世代は術後3週間、高齢者は筋力が衰えているので4~5週間程度入院、入院期間中からリハビリテーションを開始する。

 理学療法士の指導のもとでの可動域訓練から始まり、車椅子への移動、立つ練習、平行棒を使った歩行訓練、歩行器、杖とステップアップしていく。日常生活に必要な段差を超えられるようになり、階段の昇り降りが自分でできるようになることを退院の目安としている。

 ただ、人工関節が体になじむまでには半年ほどかかる。筋力を落とさないよう、自宅でもトレーニングを継続する必要がある。

他の診療科と連携し、リスクを抑えながら手術が可能

 2つ目の強みは診療科が多数あることを生かした、他の診療科目との連携。患者によっては「内科的疾患があるから、手術は無理」と考えるかもしれないが、内科や麻酔科などのドクターと連携することで、リスクを抑えながら手術ができる環境が整っている。
「膝関節・股関節の痛みは日常生活能力に直結しますから、早めの治療を心がけてください。痛みが和らぎ、生活がしやすくなれば行動範囲は広がりますし、交際範囲・人間関係も拡大します。社会とのつながりが深まることは認知機能を維持していくうえで重要なことです。決して最初から諦めてしまうのではなく、積極的に相談してください」と会田医師は呼びかける。

 取材・文/岡林秀明

副院長

会田 北斗

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