• 大阪府

関西医科大学附属病院

光免疫療法センター

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適用判断から予後管理まで
光免疫治療の最前線を担う

手術などでは治せなかった難治性再発頭頸部がんを治療

 2021年4月、関西医科大学附属病院は、がん光免疫療法を実施する光免疫療法センターを設置した。

 センターで光免疫治療が受けられるのは、基本的に舌がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がんといった頭頸部がんの患者で、これらのがんが再発した、あるいは転移した方が対象となる。頭頸部がんを患いながら、手術、放射線治療、化学療法などの治療法に効果がなかった、切除不能であるといった、他に治療法がない患者に対して行われる。現在こうした難治性再発頭頸部がんが保険適用となっている。

 診療の流れは入院1日目に2時間以上かけて光免疫療法用の薬剤を点滴する。入院2日目、薬剤の投与の20~28時間後に近赤外光を1カ所につき5分程度照射する。入院3日目以降は経過観察で、治療効果が不十分な場合、4週間以上の間隔をあけて、最大4回まで治療することができる。

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臨床と研究の両輪が嚙み合って更なる可能性を追求

 光免疫療法センターの岩井大センター長(関西医科大学教授)は、日本頭頸部外科学会を介して、全国の光免疫療法の訓練を受けた医師とディスカッションし、全体のレベルアップを図っている。またこの治療法が適用できる症例についての判断基準を、啓蒙していく必要性を感じている。

 また岩井センター長は光免疫医学研究所との連携について、「臨床と研究の相乗効果が期待できます。センターも今の治療法をどのように発展させていくかを研究所と一緒に検討すると同時に、研究所が考えた新しい療法を臨床に応用していき、それを全国に広めていくという役割を担っています」と語る。今後の光免疫療法の発展に期待したい。

  取材・文/牧野晋一

センター長

岩井 大

医療新聞社
編集部記者の目

大阪府枚方市の枚方市駅からほど近く、淀川の川岸に広がる関西医科大学の広大なキャンパス内に位置している。厚生労働省の認可を受けた特定機能病院で39の診療科と、ハートセンターや脳卒中センターなど異なる専門家が協力して集学的治療・診断にあたる7つのセンターを持ち、第5のがん治療として注目されている光免疫医療についてもセンターを設置し開発を推進している。また、高度救命救急センターを擁し、三次救急医療体制を敷くとともに、大阪府災害拠点病院でもあり、救急および災害医療にも万全の体制を整えている。

Information

関西医科大学附属病院

光免疫療法センター

〒573-1191
大阪府枚方市新町2-3-1

TEL. (072)804-0101 
FAX. (072)804-0131

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