• 大阪府

医療法人 啓信会

大阪整形外科病院(旧 中之島いわき病院)

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卓越した技術と経験で
患者のための低侵襲治療を実践

新天地にて高度な治療と環境を実現

 膝や股関節の人工関節置換術から、脊椎・脊髄疾患の治療、スポーツ整形の領域に至るまで、整形外科の各領域のエキスパートが高度な技術で治療を行っている大阪整形外科病院。年間※1の手術件数は1724件に及ぶ。2020年12月に同じ大阪市福島区内に新築移転した。
 大阪市内、周辺地域に限らず、北海道、沖縄県といった遠方からも治療実績を聞きつけて患者が訪れている。

 最大の特徴は患者の負担軽減と早期回復のためにMIS(最小侵襲手術)を積極的に取り入れていることだ。筋肉や靭帯をなるべく切らずに温存することにより、従来に比べ術後の痛みが少なく、関節を動かすための筋力の低下を抑えることができるので、早期回復につながっている。

 「診療は人工関節センター、脊椎・脊髄病センター、関節鏡・スポーツ医学センターの3つの柱で行っています。いずれの部門でも、適切な診断のもとに、患者さんにとって、より負担の少ない低侵襲な治療に取り組んでいます」と語る岩城啓好院長。国内でも比較的早い段階となる2004年からMISを導入し、人工関節置換術に積極的に取り組んできた。

研鑽された技術で患者に応じた医療を提供

 人工股関節置換術では従来、お尻の後ろ側を20㌢程切開し、一部の筋肉や腱を切り離していた。術後に股関節を深く曲げるなどの動作をすると、合併症の一種である脱臼を起こす恐れがあった。対して同院ではMISを取り入れ7~8㌢程の切開で前外側から侵入し、筋肉を温存することによって、術後の動作制限をなくすことを可能にした。しゃがみ込みや正座など可動域を気にすることなく動くことができる。

 手術は仰臥位(仰向け)で行うので、体位変更せず、短時間でスムーズな両側同時手術が可能である。患者への負担が軽減されるので、手術翌日から歩行訓練を実施し、早期の在宅復帰を目指している。

 変形性膝関節症に対しては、症例に応じて、さまざまな治療の選択肢が可能だ。年齢が若く活動性が高い場合、脛骨の一部を切り、関節を温存する骨切り術、関節の内側だけが傷んでいる場合には、関節の一部をインプラントに置換する単顆型人工膝関節置換術を提案している。股関節同様、適応があれば両側同時手術を行うことができ、膝関節は4割、股関節で2割ほどの両側同時手術を実施している。

得意分野を生かした医療で整形外科領域を網羅する

 脊椎・脊髄病センターでは首や腰の痛み、手足のしびれ、歩きづらさといった背骨に起因する疾患を中心に治療する。薬物療法や神経ブロック、リハビリなど手術以外の保存的治療で改善する場合も多い。ただし、十分な保存療法を行っても改善が見られない場合や、普段の生活に支障をきたしている場合は、手術を検討し、小切開で体への侵襲を抑えることができる内視鏡下手術を取り入れている。内視鏡下の狭い視野で行われるため、より高度な技術が必要とされるが、椎間板ヘルニアでは内視鏡下椎間板摘出術(MED)、脊柱管狭窄症では内視鏡下椎弓切除術(MEL)などを採用し、これまで高齢などを理由に手術が難しかった患者にも適応が可能だ。

 関節鏡・スポーツ医学センターでは肩、膝、肘関節、足関節などの疾患を中心に、ジュニア・学生アスリート、スポーツ愛好家、トッププロまで幅広い年齢層とニーズに対応する。スポーツ障害に限らず、体への負担が少ない関節鏡を用いた手術を行えることから、肩関節の痛みに悩む患者も多く訪れている。

 関節鏡視下手術は6~7㍉の小切開で、細いカメラを侵入させて行い、関節周辺の正常な組織を傷つけないため、痛みが少なく、早期の機能回復が望める。

 手術的治療以外には注射や投薬による薬物療法をはじめ、組織の修復を促すPRP(多血小板血漿)、次世代PRPといわれるAPS療法※2などにも対応し、運動器リハビリテーションにも注力している。移転した際、リハビリ室を前施設の約3倍にあたる約100坪へ拡充した。退院後も同院で一貫してリハビリを行える。

 「理学療法士が36名在籍しており、365日対応で、入院患者さんは毎日リハビリを受けることができます。今後もリハビリを充実させて患者さんの早期回復を支援するため、更に増員を予定しています。整形外科の領域においては、すべてのケガや疾患に対応し、これからも総合的で幅広い治療を提供していきます」と話す岩城院長を筆頭に、一貫して患者のための医療を実践している。

※2 自由診療 PRP療法(1箇所110,000円、2箇所132,000円)、APS療法(片膝330,000円)

  取材・文/宮川由香

  • 広々とした約100坪のリハビリ室

院長

岩城 啓好

いわき・ひろよし●医学博士。1991年に大阪市立大学医学部卒業。ロンドン大学で3年間医師として働き、帰国後、大阪労災病院整形外科医長、大阪市立大学整形外科准教授などを経て、2013年より現職。

医療新聞社
編集部記者の目

大阪整形外科病院で行われている人工股関節全置換術は患者ファーストだ。スピーディーに行われるのなら、数日に分けて片足ずつ手術を受けるより当日に両側同時に手術を受けられるほうが、手術回数が減り手術を受ける側の負担が少ない。また術式によっては術後にあぐらや前屈など動作制限が設けられることも少なくないが、術後に特別な動作制限がないことを術式により可能にしていることも患者にとって非常にありがたい。

Information

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大阪整形外科病院(旧 中之島いわき病院)

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【診療科目】整形外科、リハビリテーション科、内科、放射線科、リウマチ科、麻酔科 (山下智之)
【病棟種別】一般病棟80床、地域包括ケア病棟18床
【受付時間】午前9:00〜12:30 午後13:30~17:00 
【休診日】土午後・日・祝・年末年始

〒553-0007
大阪市福島区大開4丁目3-61

TEL.06-6463-1111

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