• 大阪府

田辺脳神経外科病院

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「理想の病院」めざし
外科・内科が一体となった
ワンチーム医療を実践

年間に受け入れる救急搬送は約2300件

 隣接する応神天皇陵古墳の上を一羽の白サギが優雅に飛翔していた。大阪府藤井寺市の田辺脳神経外科病院は世界遺産登録された百舌鳥・古市古墳群の中心部に位置し、自然環境は抜群。高速のインターチェンジも近く、周辺はもちろん、南大阪全域、大阪市内から年間に受け入れる救急搬送は約2300件※。

 田辺院長は大阪医科大学の出身。大阪屈指の総合病院などで腕を鍛えた後、経営不振に陥った民間病院の再建を任され、42歳の若さで病院長に就いた。患者優先の思想を貫き、脳神経、心血管、消化管、運動器といった臓器別の内科外科が一体となったセンター医療を実施するなどの改革を実行、見事再建に成功した。自身の脳神経のみより、より高度化した「理想の病院」をつくるべく、2008年、藤井寺市に田辺脳神経外科病院を開業した。

 病院には田辺院長の「患者優先の思想」が詰まっている。第1に外科と内科が一体となった診療体制を整えた。「脳神経外科病院と名乗っていますが、脳神経外科常勤医7名に加え、脳神経内科常勤医も4名在籍。外科と内科が協力してワンチーム治療にあたっています」と田辺院長は力を込める。診察室は5室あり、めまいや頭痛、しびれ、首・背中・腰などの痛みを訴える患者に対し、脳神経外科・内科の医師が連携して検査・診断にあたる。その後、慎重な意見交換を経て治療方針を決める。

バイアスがかからない診断・治療を実践

 内科、外科のどちらかしかないと、バイアスがかかった診断・治療になりがちだが、外科と内科双方を置き、情報を共有することで、どちらにも片寄らない、患者にとって最適な治療を提供することができる。

 第2に充実した検査機器も強み。「検査が勝負です。腰が痛い場合、末梢に原因があるのか、脊髄なのか、脳なのか、原因をはっきりさせる必要がある。全身を徹底的に検査し、原因を突き止めています。原因部位が確定できれば手術もピンポイントで実施できます」と田辺院長。

 検査の精度をあげるため、2020年、2機目のMRIとして高解像度の3・0テスラMRIを導入。既存の1・5テスラMRIもバージョンアップさせ、2台がフル稼働。月に800件を超える検査を行っている。

 スピードが重要なだけに患者の動線にも配慮。CT室、MRI室、心電図・頸動脈エコー室、検査室は隣接させた。廊下を挟んで手術室2室と、脳動脈瘤や頸動脈ステントなどの血管内手術を行う血管内治療室があり、患者は最短距離で移動できる。

 第3に手術では患者の体への負担が少ない低侵襲手術を採用している。年間645件※の手術を行ったが、そのうち340件は脊椎脊髄疾患の手術。同院の脊椎脊髄手術は顕微鏡下で行っている。切開創が狭く、出血量も少ないうえ、神経をきれいに温存できる。患者は手術当日に体を起こして食事ができ、翌日からは歩行が可能。入院期間も3~7日と短い。

2021年1月〜12月

田辺脳神経外科病院 院長

梅田 脳・脊髄・神経クリニック理事長

田辺 英紀

たなべ・ひでき●医学博士。1984年、大阪医科大学卒業。病院長として、南大阪地区の脳神経外科医療の発展に大きく寄与。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。

医療新聞社
編集部記者の目

インタビューするたびに発展ぶりに驚かされる。今回、インタビューを終えて、最後に筆者が「先生、東京に『出城』をつくってください」と申し上げたところ、「すでにあるよ」との返事。そこで急遽、町田脳神経外科の話を伺うことになった。東京・町田市で経営が悪化して苦境に陥った医療機関の再建を依頼され、田辺先生が法人理事長に就任。田辺脳神経外科と同等の設備を導入、先生自ら外来に立つなど率先して改革を進めている。

Information

田辺脳神経外科病院

〒583-0014
大阪府藤井寺市野中2-91

TEL.072-937-0012

【診療科目】脳神経外科・脳神経内科

【診療時間】9:00~12:00/14:00~16:00

【休診日】土・日・祝

●救急・急患は年中無休24時間受付

田辺脳神経外科病院 分院
梅田 脳・脊髄・神経クリニック



〒530-0051
大阪府大阪市北区太融寺町3-24
日本生命梅田第二ビル1階
【診療科目】脳神経外科・脊髄外科・脳神経内科
TEL.06-6312-0011
【診療時間】月~金9:00~12:00/15:00~18:00
【休診日】土・日・祝

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