７年連続で年間手術数１０００件以上

　JR品川駅近くに建つ品川志匠会病院は２０１３年11月の開院。脊椎脊髄疾患治療に特化した病院として親しまれ、10年の歴史を刻んできた。

　開院以来の手術数の合計は1万件を超えた （２１年年末まで）。２１年は新型コロナウイルス感染症の影響はあったものの、年間手術数は１３３２件に達した。治療実績は群を抜き、地元・品川だけでなく、区外、他県からも多数の患者が訪れる。同院で手術を受けた患者や、その家族からの紹介で、受診する人も増えてきた。

経験豊富な医師、スタッフによるチーム医療を実践

　脊椎脊髄疾患治療のプロフェッショナルである整形外科医5名、脳神経外科医５名、麻酔科医４名（和田徹医師ほか）が在籍する（22年8月現在）。

「複数の医師が意見交換しながら治療方針を決定します。医師だけでなく、豊富な経験を積んできたリハビリスタッフや看護スタッフなども多数擁し、チーム医療で疾患の治療に取り組んでいます」

　と光山哲滝院長の言葉は力強い。

• 術中画像支援ナビゲーションシステム

脊柱管狭窄症から後縦靭帯骨化症、成人脊柱変形まで対応

　同院では脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、骨粗鬆性椎体骨折から後縦靭帯骨化症、成人脊柱変形（胸腰椎後側弯症、頸椎後弯症など）まで幅広い脊椎脊髄疾患の治療を行っている。

　手術治療の選択肢も豊富だ。椎弓形成術や椎弓切除術、椎間孔拡大術などの除圧手術から脊椎前方固定術や脊椎後方固定術、頸椎人工椎間板置換術、脊柱変形に対する矯正固定術などの脊椎インストゥルメンテーション手術まで、患者の病態に応じて適切な術式を選択している。

「手術にあたっては術中画像支援ナビゲーションシステムや術中神経機能モニタリングなどを積極的に使用し、手術合併症の低減や神経機能の温存に努めています。また、退院後の生活の質を少しでも高めていきたいと、低侵襲の手術を選択することもあります」　

　と光山院長は語る。同院の特徴として、難易度の高い頸椎手術や後縦靭帯骨化症手術、成人脊柱変形手術が多いことが挙げられる。

　最近では高齢化の影響により、骨粗鬆性椎体骨折後の成人脊柱変形や首下がり姿勢を呈する頸椎の重度後弯変形に対する手術件数が増加してきた。

• 頸椎後弯症（首下がり症候群）に対する矯正固定術
• 腰椎後側弯症に対する矯正固定術

地域医療への貢献目指し志匠会グループは着実に発展

　志匠会グループ（医療法人志匠会：大田快児理事長）は着実に発展。同院の他に脊椎脊髄センターとして新横浜スパインクリニックがあるほか、都内を中心に整形外科クリニックを6カ所開業している。さらに２３年秋、東京・練馬区土支田に練馬志匠会病院（仮称）が開院する予定だ。

「蓄積した手術治療の経験によって得られた医療スタッフの手術手技を含む治療技術を基に、患者さん一人ひとりに適した治療を提供できるよう、これからも職員一丸となって取り組んでいきます」

　と光山院長は決意を込めた。