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東京医科大学病院

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悪性、良性を見極め、
高精度な検査体制で対応

他院で治療困難な患者を受け入れる最後の砦

 胆汁は肝臓で作られ、分泌される消化液。胆汁が十二指腸に排出されるまでの通り道が胆道だ。胆道は長さ15㌢弱の胆管、胆汁を貯める洋梨状の形をした袋の胆嚢、胆管の出口部である十二指腸乳頭部に分けられる。

「胆道疾患は結石やがんなど多様です。大きく分けて、良性と悪性があります」と話すのは、東京医科大学病院の副院長で消化器内科診療科長の糸井隆夫医師。膵臓手術の件数が多いハイボリュームセンターの同院で、日々、胆道疾患を診療している。他院で治療困難な患者を受け入れるなど、最後の砦的な存在だ。

「悪性は胆管がん、胆嚢がん、乳頭部がんを含む胆道がん。一方、良性で最も多いのは総胆管結石です。当院では疾患を的確に診断、必要であれば速やかに、手術を依頼します」

大きくて硬い胆管結石は粉砕して除去

 数ある胆道疾患を正確に見極め、診断から手術へと円滑に移行できる、その源が高精度な検査体制だ。

「その一つ、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)は内視鏡を使って、胆管と膵管のX線写真を撮る造影検査です。必要なら、膵液や胆汁、病変部から組織や細胞を採取し、検査も可能です」

 また、POCS(経口胆道鏡)は造影では分からない管内の様子を点検できる。胆管の経に合った直径3㍉ほどの胆道鏡を管内に進めて撮影した精密画像で、内腔にある小さな変化を探り当てる。

「POCSは検査のみならず、胆管結石などの治療に有用です。胆管内の結石が大きく、硬過ぎて取り出せない時、POCSで結石を確認、EHL(電気水圧衝撃波胆管結石破砕)で石を細かく砕いて除去します」

 ERCPは全国の医療施設への導入が進んでいる。

「管内に挿入したスコープなどを正確に、目的箇所に到達させるには、高度な技が必要。管内に入れたカテーテルやガイドワイヤーを正しく適切に、胆管の枝に進め入れるには、熟練の手技が求められます。当院を含め、そうしたエキスパートが多い医療施設で治療するのが理想でしょう。我々もできる限りの力で、最小限の機器や道具、画像検査などにより、正確な診断と治療を心がけています」

東京医科大学病院
副院長 

消化器内科
主任教授・診療科長

糸井 隆夫

いとい・たかお

医療新聞社
編集部記者の目

 東京医科大学病院は他院で治療困難とされた胆道疾患の患者を多数受け入れ、膵臓手術の件数も多いハイボリュームセンターだ。胆道疾患で名立たる同院を一言で言い表すなら、「エキスパート集団」だろう。
 副院長の糸井隆夫医師も「術件数が豊富なエキスパートが何人もいますから、かなり均一した技術で胆道や膵臓の診断と治療ができます」という。
「病院は一人だけ技術が上手い人がいても、だめです。例えば今日、当院は僕がいなくても手術を約20件やっています。高度な技術を要する手術が数多くできるのです」
 日本が誇るハイボリュームセンターの名は揺るぎそうもない。

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