premire_top

住民の生活を支える役割を担う
地域医療に尽力する


医療法人沖縄徳洲会
宇和島徳洲会病院
 
さだしま・ひろみち
総長 貞島 博通 先生
 
【経歴】
1981年、熊本大学医学部卒業後、福岡徳洲会病院内科入職。北野病院神経内科勤務、福岡徳洲会病院副院長、徳之島徳洲会病院院長、垂水徳洲会病院院長などを経て現職。
uwajima_top
 

 
 

地域医療の実情を知り次第に興味を抱く

 宇和島徳洲会病院の貞島博通総長は、福岡県の病院で20年近く内科に在籍し、リハビリテーションや救急医療、総合診療などに携わってきた。その後、鹿児島の住民1万人程度の地域にある70床程度の病院に派遣されたことが、今も深く関わる地域医療に目覚めた契機だったという。
 
 福岡県の病院が600床規模であり、そこで勉強したことを78床の病院で実践するのは簡単ではないかと思っていた貞島総長。実際に着任して、その認識が誤っていたことを痛感したという。「地方での医療は、都市部の大きな病院とはまったく異なるものでした。顕著なのが、患者さんの病院外での日常生活を支えることまで求められることです。例えば都市部では院内で患者さんを診るだけでしたが、地方では患者さんを送迎バスで迎えに行き、治療後に送り届ける途中で、買い物を手伝うことなども時に行います」。そこで日々の診療を行う中、次第に生活を見る地域医療に興味を抱くようになったのだ。
 
 

医療を通じた地域貢献のために

 その後、貞島総長は宇和島徳洲会病院に着任することになる。ここでも、地域住民の生活を支えるために必要なことを考えぬいた末、当時不十分だった認知症医療に力を入れるようになったという。「この地域も高齢化に伴い、認知症の発症が増え続けています。認知症は、患者さんご本人の診断・治療だけでなく、介護するご家族のサポートも必要です。そのため、併発する他の疾患も診られる総合病院が対応しなければならないと考えました」
 
 貞島総長が行ってきた、地域に根ざした医療を中心とした取り組みの結果、同院の医療も地域に浸透してきた。それを踏まえ、現在の目的に掲げているのは、地域でどのように認知症を診ていくか、地域医療の中でどのように認知症を診られる総合診療医を育てていくかだ。その一環として、全国でも数少ない「認知症も診られる総合診療医」を育成するシステム構築に取り組んでいる。「病院だけでなく、住民の方々と一緒に地域を盛り上げるアクションを起こすことが、今ここに求められる地域医療ではないかと思っています」

人気記事