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糖尿病に対する一貫した治療を進めつつ
「一病息災」の考えで健康増進にも取り組む


医療法人社団敬和会
日高見中央クリニック
 
せがわ・いくお
瀬川 郁夫 先生
 
【経歴】
1980年に京都府立医科大学医学部医学科卒業後、岩手医科大学医学部大学院医学研究科入学。岩手県立中央病院第二内科医長、岩手医科大学内科学第二講座医局長、岩手医科大学内科学第二講座講師などを経て現職。日本循環器学会認定循環器専門医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医など。
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一貫した糖尿病治療の実現に力を尽くす

 最初は循環器内科の医師としてキャリアをスタートし、心疾患の予防に深く関わる分野として、次第に糖尿病治療に取り組むようになったという瀬川郁夫医師。大学病院での勤務を経て感じたのが一貫した治療の重要性 だった。「患者さんは最初健康だったのが、そのうち糖尿病の予備軍となってから発症し、進行してしまえば腎不全などの重篤な合併症を発症します。それを一貫して診られるようにすることが治療の正しいあり方だと感じたのです」。ただ、当時の大学病院で見られた、独立した各分野が個別に治療していく体制ではその実現は困難だった。
 
 その考えを結実できたのは、日高見中央クリニックに来てからだという。すなわち、健常もしくは疾患予備軍である地域住民に対し、健診やそれに伴う健康指導を通じて早くから関わり、万が一糖尿病を発症した際にはそのまま治療に移行する。加えて、患者が日頃から気軽に来院できるよう、医師よりも身近な存在といえる看護師が相談に応じる体制を整える。そうした取り組みにより、地域住民が生涯健康で過ごしていけるようなサポートの実現を目指せるようになったのだ。
 
 

糖尿病治療を予防医学として捉える

 瀬川医師が糖尿病治療に携わってきた間に治療薬も進歩し、かつてに比べて、血糖値のコントロールも十分可能になってきた。それを踏まえ、「一病息災」をモットーに、糖尿病治療を予防医学としても捉えるようになったという。「糖尿病の原因として加齢も挙げられることから、発症数自体が減ることはないでしょう。ただ、発症を機に運動や食生活を見直し、結果として筋肉や骨が丈夫となって寝たきり防止につながった高齢の方も数多く見てきました」
 
 自身の健康の秘訣として、診療や講演など、多忙な合間に定期的にフットサルで汗を流していることを挙げる瀬川医師。現在では、健康増進の手段として、「笑い」の効能にも着目しているという。「笑うことで血糖値が下がるという研究も報告されています。そこから笑いを取り入れた体操も考案し、講演で積極的にお話ししています」

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