投稿日： 2016年8月20日 17:23 ｜ 更新：2016年10月7日11:57

社会医療法人愛生会 総合上飯田第一病院   ふるかわ・まりこ 眼科部長　古川 真理子　先生   【経歴】 医学博士。大津赤十字病院、員弁厚生病院勤務などを経て現職。日本眼科学会認定眼科専門医など

　患者がほぼ亡くなることなく、治療の経過が分かりやすいという理由から眼科へ進んだ古川真理子医師。網膜硝子体手術を専門とするようになったのも、現在勤務している総合上飯田第一病院で、日本の権威といえる医師が手術を担当していたことから、自然とそうなっていったという。
「手術は映像を見るだけでは決して学べません。間近で数多くの症例を見られ、気になることがあればすぐに聞くことができる環境にあったことが、大きなきっかけでしょう」
 
　そうした経緯で選んだこともあり、最初のうちはどこにやりがいを持てるか十分に自覚できていなかったが、診療を続ける中で、思っていた以上に人に喜んでもらえる分野であることを実感していった。「さまざまな中途障害の中でも、失明がもっとも辛いという声をよく聞きます。それだけに、人の助けがないと何もできなかった方が、手術によって視力が回復し、１人ですべてできるようになったことで非常に喜んで頂けるのです」
 
 

　現在では古川医師が、同院で部長として眼科をまとめるようになり、日々多くの網膜硝子体手術に携わっている。最新設備が揃い、内科との連携体制があることから、他院の紹介患者も多い。「網膜硝子体手術は目の奥まで触る特殊な分野ですが、チャンスがあったからこそ、ここまで続けられました。『眼の調子が悪くなってもここならなんとかしてもらえる』と思っていただけるのはありがたいことです」と振り返る。
 
　今まで受けてきた教育や、築き上げてきた信頼をムダにすることなく、次の世代につなげることが今後の大きな目標だ。「今まで私が受け取ってきたことを、次の世代にも残していかなければならないと思っています。地域の方の当院への信頼をこれからも失わないようにしていきたいです」と、患者にとってメリットのある最新技術の導入などを通じて眼科医療のさらなる発展を目指すと共に、医師の教育にも積極的に取り組んでいる。