認知症を中心とした精神疾患全般で
総合的な治療を実践


医療法人髙仁会 戸田病院

院長 井口 喬

いぐち・たかし●1964年、大阪市立大学医学部卒業。
98年~2006年、昭和大学附属烏山病院院長・精神神経科教授。
06年より現職。
 

外来から入院での治療、退院後のケアまで実践

 うつ病や認知症、統合失調症などの精神疾患全般に対応した幅広い治療を実践するのが、埼玉県戸田市の戸田病院だ。「医師や看護師、臨床心理士、作業療法士、理学療法士、介護スタッフなどの多職種がかかわり、総合的な治療を提供しています」と井口喬院長。その体制を生かし、力を入れているのが高齢者の治療だ。認知症疾患医療センターとして、地域の認知症診療の中核を担う他、悩みやストレスによる適応障害など、他疾患の患者も積極的に受け入れる。「認知症に限らず、心理状態を客観的に評価します。それに必要な心理テストなどの多様な評価手段も用意しています」と井口院長。うつ病にも国内でいち早く専用のストレスケア病棟を備え、積極的に治療を進めている。
 
 入院が可能なのも特徴の一つだろう。例えば、急性期で重度の精神症状が出た際には、短期入院による治療も可能だ。3カ月以内での社会復帰を目指すプログラムのもと、効率よく集中的に治療を実施し、退院後のデイケアへつなげていく。あわせて、関連施設としてグループホームを設け、自宅での生活に不安がある人を受け入れ、アフターケアとリハビリを進めていけるという。
 

戸田病院が実践する認知症の非薬物療法

認知症の周辺症状は、薬物療法だけでは十分な効果が得られないため、さまざまな治療を組み合わせていく。
 
●バリデーション
言語的・非言語的技法を組み合わせたコミュニケーション技術。共感を示すことで患者が安心し、状態の安定につながる。
 
●作業療法
患者が興味を示した活動や、過去に経験した活動を実践。楽しみながら身体的機能・活動性の維持を図る。
 
●回想法
患者が過去の経験をさまざまな思いと共に回想し、治療者がそれを受容することで内面と社会性の回復をめざす。
 
●リアリティ・オリエンテーション
患者周辺のさまざまな情報を繰り返し確認・示し、注意を向けるようにする。見当識障害の改善をはかり、対人関係・協調性を回復させて認知機能障害の進行を遅らせる。
 
●支持的精神療法
受容的共感的態度で患者の苦悩を理解し、支援することで日常生活の改善を図る。

Information
医療法人髙仁会 戸田病院
(ホームページ)


診療科目:精神科、内科、皮膚科、歯科
休診日:日曜日 病床数:550床
精神科診療:月〜土 8:45〜11:00
認知症診療:月・水 12:45〜15:30 木 8:45〜11:00
〒335-0026
埼玉県戸田市新曽南3-4-25
TEL.048-442-3824
FAX.048-447-0751
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