【歯科5選】チーム医療

小沼 正樹:山の手歯科医院

 
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■取材
山の手歯科医院
院長

小沼 正樹 歯科医師

 
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得意分野を持つ歯科医師のチームで治療に臨む

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歯科医院に対して一般的には、一つの歯科医院で歯科医師一人だけが治療を行っているというイメージが持たれているだろう。実際、現在でもそうした診療体制の歯科医院は多い。一方で、歯科医療においても各分野の専門化・高度化が進んでおり、もはや一人の歯科医師ですべての治療をカバーすることが難しくなっていると言える。
 
その状況を補うため、近年ではチームを構築して治療に臨むケースも増えてきている。「各分野に精通した医師が集い、治療を提供した方が患者様も満足しますし、医療事故の可能性も抑えられるのです」と語るのは、山の手歯科医院の小沼正樹院長。実際、小沼医師はそうした考えを早くから取り入れ、得意分野の異なる9名の歯科医師が共同で治療に携われる体制を作り上げてきたという。
 

インフォームド・チョイスをチーム医療で実現

それによって実現できるのが、インフォームド・チョイス(説明と選択)だ。「インフォームドコンセント(説明と合意)はもとより、患者様にできるだけ幅広い治療を提示し、納得した上で選んでいただくことが、医師として怠ってはいけないことなのです」と強調する小沼医師。実際、同院では、インプラント治療を希望する患者を診た場合、もしあごの骨が小さいなどの理由でインプラントの埋入にリスクが伴うと判断すれば、診断内容を十分に説明した上で、理由を挙げつつ義歯による治療を提案することもあるという。このように、各分野を院内でスムーズに使い分けられることが、チーム医療の最大の利点といえるだろう。
 
なお、その実現には、的確な診断も欠かせないという。そこから、小沼院長は、骨の状態を立体画像で確認できる歯科用CTや、口腔内の細菌を確認できる位相差顕微鏡、咬合力・バランスの測定機器などを導入。その結果についても、説明用のソフトウェアを使いつつ、わかりやすい説明を心がけている。
 
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──経験豊富な歯科医師が連携する体制を作り
    歯科疾患にとどまらない全人的な医療を──

 
 

全人的な総合治療の実現に貢献できる

近年では、口腔の診断・治療が全身の疾患の予防や早期発見にも関わることが指摘されるようになってきた。「例えば、歯周病が心疾患や脳梗塞、糖尿病の発症リスクとなるほか、白血病や膠原病などが口腔内の異常を機に発見されることもあります」と小沼院長。それを踏まえ、歯科疾患に加え、全身疾患の早期発見・早期治療を目指すためにも、歯科医院だけにとどまらず、大学病院などとも連携するという、より幅広いチーム医療が重要だと指摘している。
 
チーム医療が最終的に目指すことの一つとして挙げられるのが、全人的な総合診断・治療だ。「口は、会話や食事、外見と、生活の質に直結する機能を担う重要な器官です。ひとたび病変が生じれば、心理的ダメージや日常生活への悪影響なども生じます。病気で損なわれたQOL(生活の質)の回復をゴールとするならば、患者さん一人ひとりの心理面や日常生活にまで配慮しなければなりません」。それにより、複数の歯科疾患が発症し、複雑な治療が求められる患者や、心理面・生活面での配慮が必要な患者への適切な診断や治療計画のコンサルティングが可能になるのだという。
 
口腔にとどまらず、全身の状態や社会面への配慮など、歯科医院にはますます重要な役割が求められるようになっている。チーム医療はそれに応えるための手段と言えるだろう。

Information
●山の手歯科医院
〒324-0051
栃木県大田原市山の手1-8-18
フリーダイヤル.0120-418307
TEL.0287-24-1182
診療時間:9:30〜13:00/14:30〜18:30
休診日:水・日・祝
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