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新しい道として下肢静脈瘤治療を選び
症状に悩む地域住民と向き合う


千葉静脈瘤クリニック
 
かわせ・いさむ
院長 河瀨 勇 先生
 
【経歴】
医学博士・東邦大学客員教授。1989年、防衛医科大学校卒業。米国クリーブランドクリニック 心臓胸部外科クリニカルフェロー、米国ミシガン小児病院 心臓血管外科クリニカルフェロー、亀田総合病院 心臓血管外科医長、三重ハートセンター 心臓血管外科部長、苑田第一病院心臓血管外科部長などを経て現職。
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心疾患治療の経験を生かし、別の分野へ

 河瀨勇院長は、20年以上にわたって心臓血管外科医として診療に携わってきた医師だ。その中で海外で学び、病院で部長として医師をまとめる役割を担ってきたこともある。そうした経験を持つ河瀨院長が現在、下肢静脈瘤治療に携わるようになった背景として、「挫折からの転換」があったという。
 
 「心臓手術は外科の中でも特に技術が求められる分野です。それを満たした医師を育成するため、施設の集約化も唱えられています。私自身、決して下手ではないと思っていますが、全国から人が集まってくる水準までには至りませんでした。そうした中で50歳を迎えた時に、一度大きな器から外れることを考えました。自信を持って提供できる別の分野を作り、患者さんに幸福を提供できればと思ったのです」と河瀨院長。自らが積み重ねてきた心臓血管外科の経験を最大限に生かしつつ、患者一人ひとりに向き合える分野として選んだのが、心臓と同様、血管に対して時に外科的処置などを行う下肢静脈瘤の治療だった。
 
 

最新知識や技術の習得に励み地域住民の悩みに向き合う

「この疾患は決して生命に関わるものではありません。ただ、足の見た目や痛み、こむら返りなどで悩む方がいらっしゃるのは事実です。治療は一般的に血管外科や心臓血管外科で行われますが、病院では重篤な疾患が優先され、どうしても後回しになりがちでした」と河瀨院長。そうした状況の受け皿になることを目指し、千葉県で下肢静脈瘤に特化したクリニックを2015年9月に開院。その技術が少しずつ知られ、症例数も増え続けてきた。
 
 現在では、以前以上に自信を持って患者に向き合うことができているという。「私自身も進歩していないわけではありません。一人ひとり違う症例に日々接する中で学ぶことも多いのです」と、学会への参加や海外での発表などを通じ、最新知識や技術の習得にも余念がない。残りのキャリアを捧げる分野として、これからも河瀨勇院長は下肢静脈瘤に悩む人の助けになることに力を尽くす。

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