【連載:在宅医療 北から南から】001 長野 宏昭(沖縄)第3回

【連載:在宅医療 北から南から】001 長野 宏昭 先生(沖縄)第3回

2025年問題が迫る中、高齢化が加速し、在宅医療が重要な時代となっています。本連載では、在宅医療の現状、課題、未来を伝えることをテーマに、実際の現場で活躍されている医療従事者の皆さまに、明るく、楽しく、わかりやすく語っていただき、在宅医療の認知浸透を図るとともに、在宅医療を検討したい患者様とそのご家族様に、在宅医療を知っていただくことを目的にしています。
在宅医療に携わる医師リレー「在宅医療 北から南から」の長野 宏昭 先生シリーズの最終回の3回目は未来編として、長野先生が目指す在宅医療について、ご自身が行っていることや国・行政にお願いしたいことを語っていただきました。
NPOを通してのマインド作り
—先生が目指す在宅医療、実現に向けて行っていることについて教えてください
はい、私は「NPO法人生きがいLABO」で代表理事をしています。地域作りをやりたい思いから立ち上げました。
目的はユイマールホスピスマインドの浸透です。原型のユニバーサルホスピスマインドのユニバーサルをユイマ―ルにして、沖縄風にユイマールホスピスマインドを全ての人の人生のそばに届けたいという思いがあります。
私は、たとえ治らない病気があったとしても、解決が難しい問題、悩み、苦しみがあったとしても、その人が笑顔で生きていくためにはどんなことをすればいいのか。それを考え続け、立ち向かえるような人材を育てたいです。
小中高を通して、数学の答えなどとにかく回答を見つける教育を受けてきました。大学に入ってからも病気の診断法、治療法、検査方法など解決できることはたくさん習ってきましたが、 現場に出ると解決できないことがたくさんあります。
いのちの授業
いのちの授業
患者さんから「もう人の迷惑になるくらいだったらもう私は死んでしまいたいんです」「私がね、死んだらこの子はどうなってしまうんでしょうかね」
もう本当にそういう言葉を毎日投げかけられます。それに対して私たちは答えることができないんですね。答えることができない問題が現場では多い。にもかかわらず、私たちはその教育を全く受けてこなかった。
そういう中で、やっぱり看取りというところに苦手意識を持ってる人たちがすごく多いと感じています。
利用される方もそうですし、一般の方もそう。そこを私たちはなんとかしたいと思っています。解決できなくても、私たちはそばに居続けてもいいんだよね、力になれなくてもそばにいてもいい、また明日も来てもいい。そう思うためには、半径5メートル以内の大切な人であったり、自分自身のケアをできる、そういうマインドが必要なんですよね。
それがユニバーサルホスピスマインド。ユイマールホスピスマインドですね。
沖縄の人が持ってる困ってる人、苦しんでる人を見て見ぬふりせず、声をかけ合う、助け合うっていう精神を今一度ですね、世界に発信したいなと思ってます。
結局、コロナでも助け合うことによって、死亡率の低下や救える命があったということ、それはやっぱり現場で感じていますし、いくらお金があってもね、医療制度が法律が変わったとしても、最後は人の心が1番の地域でのセーフティーネットになってくるのかなと思っています。
人の心っていうのは見えないです。見えないけども、私はそれを育みたいと思っています。
私が1番やってることでしたら、このNPOの活動を通してのマインド作りです。
いのちの授業
小学校でのいのちの授業を終えて(大学生の認定講師と共に)
フラットな関係で対話の機会を
—国や行政にお願いしたいことは?
私たちが行っている地道な活動、国や行政として単に在宅医療を進めるだけではなくて、私たちの非営利的な活動に対して、ちょっとだけでも協力していただけたら、すごく嬉しいです。
—地域住民に伝えたいこと、知ってほしいこと、お願いしたいことがあれば、お願いします
伝えるとか、お願いするって、どうしても上から目線で、私はあんまり好きじゃないんです。お互い教え、対話し合うってことですかね。そういう対話の機会を持てたらな、私も教えてほしいな、っていう感じです。
沖縄に来てまだ10年くらいなので、もっと沖縄のことを知りたいです。対話ですね、対話、対話したいですっていう思いが一番です。
一緒に働く人が増えてほしい
—最後に、これからの在宅医療への要望があればお聞かせください
命には限りがありますので、地域で人生の最終段階を迎える人が多くなり、今後、在宅医療って必ずニーズは増えてくる。なので、在宅に興味を持って一緒に働きたいっていう方が増えてくれたらすごく嬉しいなと思いますし、学生とか研修医のうちから、在宅医療に触れていくっていうのは大事かなっていう風には思っています。

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