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実績ある医師の影響を受けたことで
消化器疾患、肛門疾患の治療に関わる


京都逓信病院
 
外科部長・医局長
とくなが・ゆきひこ
徳永 行彦 先生
 
【経歴】
医学博士。1980年に京都大学医学部卒業。同大学医学部附属病院外科医院、京都市立病院外科医長、私立舞鶴市市民病院外科診療部長、大阪北逓信病院外科部長・医局長などを経て現職。日本大腸肛門病学会認定大腸肛門病専門医など。
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積極的に患者の治療へ携わることを志す

 京都逓信病院の徳永行彦医師が外科医を志したのは、積極的に患者の治療に携わりたいという思いを学生の時から抱いていたからだと言う。「病気を診断することももちろん大切ですが、当時は自らの手で治療することを目指したいと考えたのです」。そして、消化器の分野に携わるようになった背景には、研修時に恩師ともいえる医師と出会えたことがあった。
 
 外科医は実際に手術を行えるようになるまで10年以上かかり、それでも執刀医にはなれないという領域もあった。それに対し、「その時に学んだ先生は、進んだ考えを持っており、若手にも積極的に手術に携わらせると共に、術式の説明もしばしば行っていました。また、術後の合併症の少なさや、手技のさまざまな工夫など、術者としても優れていたのです」ということに影響を受け、消化器疾患の治療へ目を向けるようになったのだ。毛巣洞という稀な疾患における、再発を抑えた術式などのような治療に関する工夫、日々の患者への接し方など、当時の教えの中で今も実践していることは多いという。

 
 

実績ある医師のもとで学び肛門疾患の治療に目を向ける

 現在では、肛門疾患の治療にも力を入れるようになったという徳永医師。それについても、悩んでいる患者が多い疾患であるだけでなく、以前在籍していた大阪北逓信病院において、実績ある医師のもとで学べたことが大きかった。「以前は、肛門疾患のうち、痔瘻は再発しやすいと考えられていました。それに対し、術式を工夫して再発率を抑え、短期間での回復を実現させていたことに興味を抱いたのです」
 
 当時学んだ、括約筋の温存や治療期間の短縮などを可能にする「Minimal-seton法」という痔瘻手術を今でも行う他、注射のみで済む痔核硬化療法、直腸粘膜脱を伴う痔核等も治療できるPPH法など、痛みが少なく、再発を抑えられる治療が登場する度に、積極的に取り入れてきた。「多くの手術をする中で気付いたことを踏まえ、私自身でもさまざまな工夫をしています」と、学んできた治療法の発展もまた目指している。

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