高度なノウハウとチーム医療で
幅広い肥満治療を提供



社会医療法人 誠光会 草津総合病院
肥満症外科治療センター

消化器外科部長・肥満症外科治療センター長 戸川 剛

 
とがわ・たけし●日本外科学会認定外科専門医、日本消化器外科学会認定消化器外科専門医、日本消化器病学会認定消化器病専門医ほか。

 
 

肥満症とその合併症を包括的に治療する

 食生活の欧米化などを受け、国内の肥満人口は増加傾向にあるといわれる。肥満外科を2018年10月にセンター化し、専門性の高い治療を提供するのが、滋賀県の草津総合病院だ。日本肥満症治療学会が定めた基準を満たした数少ない認定施設の一つであり、重度の肥満症も含めた数多くの実績を持つ。
 
 

スリーブ胃切除術

 「肥満症患者さんは多くの場合、肥満の背景に精神面を含め多くの問題を抱えており、手術だけでは解決しない場合も多いのです。それに伴い、手術に至るまでの過程における適切な診療の重要性も増しています。手術の適応条件を満たし、かつ本人が希望しても、実施すべきか否かを一定期間かけて判定するまで手術を行わない点が、この治療の特徴です」と、戸川剛医師は語る。そのため、判定も含め同院の診療には外科医だけでなく、内科医、栄養士、臨床心理士、看護師、理学療法士など、多職種が携わる。また、近年では肥満が発症原因となりうる糖尿病、高血圧、脂質異常症といった疾患が、肥満の解消によって改善することがわかってきた。「現在の肥満外科は、今まで内科でしか扱わなかった疾患を手術で治すという役割も担っています」
 
 
 手術の際は、胃を切除し食事摂取量を制限するスリーブ胃切除術を、原則腹腔鏡下で行う。摂取量に加え、消化吸収の制限も可能なスリーブバイパス術の導入も検討中だという。手術後も、食生活の改善や運動習慣の指導など、細やかなフォローで患者を支える。こうした充実の診療体制で、これまでに高度肥満の永久的透析患者や、大腸がんを発症したが高度肥満ゆえに手術を安全に受けられない患者に対し先に減量を行い、その後大腸がんへの根治手術を行うなど、幅広い症例を診てきた。「ただ、手術はあくまで補助手段であり、重要なのは生活習慣の改善です」と語る戸川医師。高度なノウハウで、今後の肥満治療をリードしていくだろう。
 
 

 
 
 

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