機能の再建を重視して行う
幅広い甲状腺がん治療


社会医療法人 誠光会 草津総合病院

森谷 季吉

 

もりたに・すえよし●日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医、日本気管食道科学会認定気管食道科専門医ほか。

 
 

高度な機能再建術を駆使した甲状腺がん治療

 滋賀県の草津総合病院は、西日本でも珍しい頭頸部甲状腺外科センターを擁し、頭頸部に生じる疾患への治療を幅広く提供する。特に甲状腺がんに対する手術では、比較的進行した症例を中心に国内有数の実績を重ねてきた。
 
 甲状腺は、気管を取り囲むように位置するほか、周囲に喉頭、食道、反回神経といった重要な組織がある。「甲状腺がんの標準治療は手術であり、がんが進行してこれらの器官にまで浸潤した場合、広範囲の組織を摘出する必要があります。その際に必要となる再建術では、欠損部分を修復するだけでなく、いかに機能を再建できるかが重要となります」と、森谷季吉医師は語る。気管は呼吸、食道は食事、反回神経は発声というように、重要な機能に直結するだけに、再建の重要性は大きいが、機能再建の知識も豊富な医師は多くないという。また、食道の欠損に対する皮弁の移植や血管吻合など、顕微鏡を用いた精密な手技による再建術が可能なのも、同院の強みといえるだろう。
 
 さらに、腫瘍の切除は外科、再建術は形成外科と分業で行う施設も多い中、同院では基本的に再建まで一貫して同センターで行う。「手術開始後に再建術が必要だと判断し、皮弁を用いた再建や人工血管置換術を行うこともあります。再建も我々が行うことで、こうした事態を想定できるうえ、術中の柔軟な対応にもつながります」と森谷医師。
 遠隔転移や縦隔のリンパ節への転移、頭蓋底への浸潤など、難治例への治療技術に定評がある同院だが、内視鏡を用いた低侵襲なVANS法(内視鏡補助下頸部手術)も提供しており、病状や患者の希望に応じて使い分けている。適応が良性腫瘍やバセドウ病、小さな甲状腺がんなどに限られるものの、傷跡が目立ちにくいという。同院は今後も、機能再建のエキスパートとして、患者のより良い生活に貢献していくだろう。

 
 
 

 
 

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