投稿日: 2017年5月17日 10:40 | 更新:2017年5月17日10:40
石戸谷耳鼻咽喉科 院長 |
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カンボジア難民医療への参加や、東京大学での基礎医学研究を経て臨床に携わり、大学病院の耳鼻咽喉科教授まで務めた経歴を持つ、石戸谷耳鼻咽喉科の石戸谷淳一院長。近年患者数が増えている難治性の好酸球性副鼻腔炎に20数年前からいち早く注目し、数多くの論文を発表している。「好酸球性副鼻腔炎の病態研究や治療法の普及、診断基準作成にも携わりました」。開業した現在では副鼻腔炎や鼻中隔弯曲症を中心に、一般的には全身麻酔で行われる耳や鼻・副鼻腔の手術を局所麻酔下で行い、日帰りを可能にしている。
その高い技術は国立病院や大学病院での豊富な手術症例によって培われたものである。「人工内耳手術や癌の大掛かりな手術もしてきました。その中には副鼻腔癌で顔面の半分を摘出するような手術もありました。そうした経験を通じて鼻の奥深くの解剖を熟知すると、手前にある鼻・副鼻腔の手術もより安全に行えるようになります」。また、現在では鼻・副鼻腔手術に内視鏡が使われているが、石戸谷院長は27年前に日本にその技術が導入された初期から内視鏡手術に携わってきた長い経験がある。「手術は手だけでするものではありません。基礎研究で学んだ論理的な考え方、数多くの症例から学んだ実践的な解剖学的知識、そして個々の患者さんのニーズや病態に合わせた術式の選択などが手術では欠かせません」
現在も学ぶことは多いと語る。「今まで自分は鼻炎や副鼻腔炎の専門家と思っていたのですが、開業医として毎日たくさんの患者さんを拝見していると色々新しい発見があります。今もとても興味深く診療に携わっていますよ」