【コラム:フローダイバーターステント治療】未破裂脳動脈瘤の最新治療

【コラム:フローダイバーターステント治療】未破裂脳動脈瘤の最新治療

医療技術が進歩する脳卒中の治療
脳卒中(脳血管障害)は日本で死者数の多い三大疾病のひとつです。ただし、死因第1 位だった1960〜70年代をピークに減少傾向にあります。理由として、救急医療の充実による発症から治療開始までの時間短縮や、治療法の進歩が挙げられています。
しかしながら、依然として脳卒中が危険な疾患であることに変わりはありません。迅速な治療で生命の危機を脱したとしても、運動機能障害や言語障害などの後遺症を発症し、場合によっては要介護となるリスクもあります。
脳卒中のひとつが、くも膜下出血。脳血管の分岐点にできた脳動脈瘤が破裂して出血します。もし未破裂脳動脈瘤(破裂する前)を発見し、治療できれば、リスク回避につながります。また脳卒中発症時に見つかるケースもあり、再発予防も重要です。
未破裂脳動脈瘤は状態によっては経過観察、破裂リスクがあると判断した場合は手術を検討します。開頭して瘤の根元をクリップで止める開頭クリッピング術や、血管内からカテーテルを挿入し、瘤にコイルを詰めるコイル塞栓術などで治療します。
網目の密なステントで瘤への血流を制御
2015年、5mm以上の未破裂脳動脈瘤に対する画期的な治療法「フローダイバーターステント治療」が保険適用となりました。従来は頭を開く、内側からコイルを挿入するなど、何かしら脳動脈瘤に触れて治療していたのに対し、瘤に触れない安全性の高い治療法として注目されています。網目の密なステントを瘤の入口部分に設置することで、瘤への血流が減り、時間の経過とともに徐々に瘤が血栓化し、なくなる計画です。
ただ、まれに瘤がかたまらないときもあるため、周術期のリスク管理など成熟した技術と経験が求められます。実際、治療できる施設は全国でも、ごく一部に限られます。つまり、フローダイバーターステント治療は技術の証といっても過言ではありません。
脳卒中でお困りのことがあれば、フローダイバーターステント治療実施施設で、検索してみるのもよいでしょう。
平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)より
『病院の選び方2023 疾患センター&専門外来』(2023年3月発行)から転載
【関連情報】
関連記事
人気記事