【連載:在宅医療 北から南から】002 中野 一司(鹿児島)第3回

【連載:在宅医療 北から南から】002 中野 一司 先生(鹿児島)第2回

2025年問題が迫る中、高齢化が加速し、在宅医療が重要な時代となっています。本連載では、在宅医療の現状、課題、未来を伝えることをテーマに、実際の現場で活躍されている医療従事者の皆さまに、明るく、楽しく、わかりやすく語っていただき、在宅医療の認知浸透を図るとともに、在宅医療を検討したい患者様とそのご家族様に、在宅医療を知っていただくことを目的にしています。
2人目は鹿児島で1999年に訪問診療を専門とする「ナカノ在宅医療クリニック」を開業され25年にわたって在宅医療に従事されている中野 一司 先生です。
3回にわたるシリーズの最終回の3回目は未来編として、中野先生が目指す在宅医療について、ご自身が行っていることや国・行政にお願いしたいことについてお聞きしました。
「質の良い在宅医療」を目指して
—自身が行っていることについて教えてください
在宅医療を理論化(ナカノ理論)し、ナカノ理論の実践です。
医療行為っていうのはキュアなのかケアなのかを意識しながら動くと、いろんな問題解決の方法が浮かんできます。
在宅医療は課題が山積しているので、その問題をどう解決するか、その具体策はね、僕の本の2冊目の方に書いてありますよ。全文を当法人のホームページにて公開していますので、ぜひご覧になってください。

 

続・在宅医療が日本を変える
― キュアからケアへ そして ケアからキュアへのパラダイムシフト ―
(中野 一司 (著) )
—国や行政に期待すること
医療、介護、育児、教育など、人の生きることの支援にお金を流して欲しい。
要するに、国や行政のお金の出し方は、キュアが中心なんですよね。エビデンスがあるものしか出さない、もうちょっと人が生きていくために必要なことにお金を使っていいんじゃないかなと僕は思っています。
国の借金は僕らの借金になるわけで、 その出すところがちょっと違うんですよね、見えるとこしか出さない。必要なのは、介護とか医療、いわゆるケアの分野ですよ。
お金を出せば雇用もできるんだけど、感覚的には政治家の人たちもわかってると思うけど、なかなかね・・・。
—地域住民にお願いしたいこと
医療、介護、育児、教育など、人の生きることの問題を自分事として考え、行動してほしい。一番問題あるところが家族ですね、愛の裏返しでもあるんだけどね。やっぱり、自立していないと、アドバンス・ケア・プランニングとか個人の意思決定支援とか人権とかは守れないんじゃないかな、そんなふうに日本社会を見て思っています。

ケアタウン・ナカノ構想

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